スリランカの世界遺産である巨大遺跡群「ポロンナルワ」。ポロンナルワの巨大遺跡は、19世紀に発見されるまで、ジャングルの中に埋もれていました。長い間、人々から忘れられていた世界遺産である巨大遺跡群「ポロンナルワ」が、今では世界中から人が訪れる大人気観光スポットに。
この観光スポットの魅力は何といっても、遺跡内の果てしない広さ!
広大な遺跡を、スリランカの灼熱の下で回るのはとても困難です。とても1日では回り切れません。そこで、今回は、時間の限られているみなさまのために、絶対に見てほしい遺跡や、簡単な回り方など、観光ポイントを10個ご紹介します!
スリランカ遺跡のポロンナルワとは?
ポロンナルワは、「文化三角地帯」と呼ばれる、の仏教遺跡群を結ぶ三角形のその東側に位置する遺跡群です。

とても広大な遺跡群で、その全長は約10kmにも及びます。
インドのチョーラ王朝の侵略により首都のアヌラーダプラを追われたシンハラ王朝は、ポロンナルワに2番目めの王都を築きました。その後、12世紀に王位を継いだパラークラマ・バーフ1世により、巨大な灌漑用貯水池や城壁が造られました。
他にも寺院や仏塔など仏教に関連する建造物もあり、ポロンナルワは仏教都市として繁栄しました。しかし、その後度重なる侵略により、1232年に首都はダンバデニヤに遷都され、1255年、ポロンナルワは完全に放棄されてしまいました。
暫くの間、ジャングルに埋もれ、忘れられた都となっていましたが、19世紀に発見され、1982年には世界遺産登録されました。現在はきれいに発掘されており遺跡好きの方には、たまらない世界遺産と思います。
世界遺産ポロンナルワの観光ポイントは何といっても「遺跡」です
世界遺産「ポロンナルワ」のおススメポイントは何といっても「遺跡」です!

じっくりと多くの遺跡群を見ようとすると1日がかりになりますが、主要なポイントを押さえて専用車で巡れば、2~3時間で済みます。
ポロンナルワに行ったら訪れるべきスポットを、これから紹介します。
観光ポイント1:ポロンナルワ最大のダーガバ ランコトゥ・ヴィハーラ
「ダーガバ」はスリランカで仏塔を意味します。ランコトゥ・ヴィハーラは、12世紀に南インド出身のニッサンカ・マーラ1世によって建てられました。
こちらは、ポロンナルワでは最も大きな仏塔です。是非、近くでその大きさを感じてほしいです。今にも吸い込まれてしまいそうなほど壮大で、圧巻の遺跡です。
その大きさがよく伝わるので、人物と建物を入れた写真を撮るのがおススメです!仏塔には一切出入口が無いようで、何の目的で作られたのか、中がどうなっているのか、見れば見るほど謎が多くミステリアスな建造物です。
観光ポイント2:一枚岩に彫られた石像 ガル・ヴィハーラ
ガル・ヴィハーラはランコトゥ・ヴィハーラの北に位置します。古都ポロンナルワの見どころはなんと言っても「ガル・ヴィハーラ」という3つの石像です。

絶対に行ってほしいおススメのスポットです。
ここで見られるのは、「最高傑作の仏像」とも言われる仏陀の涅槃像、立像、座像の三体の像で、それらは全て巨大な一枚岩に刻まれています。石の模様などを辿るとつなぎ目が無いのが良く分かります。
パラークラマ・バーフ1世の命で造られ、そのなだらかな曲線や穏やかな表情の彫刻は、「世界でもっとも美しい彫刻」と称賛されています。仏像好きにはたまらない、絶賛間違いなしのおススメスポットです。
観光ポイント3:仏歯を奉納していた アタダーゲ
アタダーゲは、宮殿の北側に位置します。

かつて、王朝がポロンナルワにあった時代は、ここに仏陀の歯が祀られていたとされ、ポロンナルワで最初の仏歯寺といわれています。仏陀の歯?と疑問に感じる方も多いと思いますが、スリランカでは仏陀の歯が祀られており、その場所は仏教徒の重要な聖地となっているのです。
建てられたのは、11世紀で、その周りに54の柱が立ち、その奥には高さ3メートルの像が立っています。入ることができますが、裸足又は靴下で上がることになっており、土足禁止ですのでご注意ください。
観光ポイント4:円形の仏塔 ワタダーゲ
アタダーゲと同じエリアにあります。
ワタダーゲは「円形の仏塔」を意味します。円形の仏塔の特徴として、ワタダーゲも東西南北に出入口があり、その先に仏像が配置されています。
観光ポイント5:ワタダーゲにある ムーン・ストーン
寺院などの玄関には、必ず半月形のハーフムーンストーンがあります。

ポロンナルワ内にも、いくつか残っているものがありますが、風化が激しく綺麗な状態で残っているものは少ないです。しかし、ワタダーゲにあるムーン・ストーンはそのレリーフが驚くほどきれいに残っており、当時の様子を感じることができます。
ムーン・ストーンには、象や馬、蓮の花、炎などが彫られています。
観光ポイント6:碑文が残っている ハタダーゲ
ハタダーゲは、12世紀にシンハラ王朝のニッサンカ=マーラ王により建てられました。

こちらは、釈迦の歯を祭る仏歯寺として守られていました。入り口には、神聖な場所の玄関である印として、ムーン・ストーンが配置され、その横にはガードストーンという祀られたものを守る2体の像が並んでいます。
また、ここでのチェックポイントは、サンスクリット語で刻まれている、王を称える「碑文」です。他の遺跡にはあまり見当たらないものなので、ここでしっかりと見物してください。
観光ポイント7:石の本 ガルポタ
ガルポタは石の本を意味し、ワタダーゲのすぐ目の前に置かれています。

長さ8m、幅1.5mほどで、一見何かが刻まれた巨大石といった印象です。
近くでよく見てみると、一面にびっしりと文字が綴られています。こちらは全てスワヒリ語でかいてあり、どうやらニッサンカ・マーラ1世の栄光が語られているようです。
これだけの巨大な石の塊を運ぶのは、どれだけ大変だったことでしょう。ニッサンカ・マーラ1世の権力が垣間見れる遺跡です。
観光ポイント8:7階建ての塔 サトゥマハル・プラサーダ
サトゥマハル・プラサーダは、古都ポロンナルワにある、7階建ての建築物です。

その建築様式から、タイから来た僧侶が建てたものだと伝えられています。比較してみると、タイの「ワット・ククット」に建てられた仏塔に似ているらしいです。外壁などのリーフや装飾は、風化が激しく、そのほとんどは剥がれ落ちてしまっています。
観光ポイント9:重厚なレンガ造り 宮殿跡
パラークラマ・バーフ1世の宮殿跡です。

幅13メートル、奥行き31メートル、地上7階建てで、なんと千の部屋があったといわれています。当時の技術で千の部屋を作るのは相当大変だったと思われます。
残念ながら今では柱の一部しか残っておりませんが、流石千の部屋を支えていただけあり、とても立派でどっしりとしています。その下に立っているだけで迫力を感じることができます。また、白い壁の一部が当時のまま残っている所があります。是非探してみてください。
今は、レンガがむき出しになってしまっていますが、当時は一面真っ白な壁だったことが分かります。
観光ポイント10:真っ白なダーガバ キリ・ヴィハーラ
キリはスリランカで、ミルクという意味を持っています。

まさに見た目の通り、白い仏塔(ミルク色の塔)という名前です。ポロンナルワは、比較的レンガ色の遺跡が殆どなので、キリ・ヴィハーラが目に入った途端ちょっとテンションが上がる人もいるのではないでしょうか。
遺跡群+白+空の青で、素敵な写真が撮れちゃいますよ!
まとめ
- ポロンナルワは、全長約10kmの広大な遺跡群
- ポロンナルワの観光ポイントは遺跡群、ポイントを絞って回る
- ランコトゥ・ヴィハーラはポロンナルワ最大の仏塔
- ガル・ヴィハーラの見どころは一枚岩に彫られた石像
- アタダーゲには仏歯が奉納されていた
- ワタダーゲは円形の仏塔
- ワタダーゲにあるムーン・ストーンは保存状態が最もいい
- ハタダーゲでは碑文をチェック
- ガルポタは巨大な石の本
- サトゥマハル・プラサーダはタイの僧侶が建てた7階建ての塔
- 重厚なレンガ造りの宮殿跡、ここにはかつて千の部屋があった
- ミルク色の仏塔ダーガバ キリ・ヴィハーラ
以上、ポロンナルワの遺跡群の中で是非見てほしい遺跡をご紹介いたしました。ポロンナルワは、じっくりと多くの遺跡群を見ようとすると1日がかりになりますが、主要なポイントを押さえて専用車で巡れば、2~3時間で済みます。
大体日本からの旅人さんは、午前中シーギリヤに登って、午後ポロンナルワというパターンが多いです。ポロンナルワは、日中猛烈な暑さになる日が多いので、水分補給など、暑さ対策を万全にしてお出かけください。






